日本の友人に教えてもらった切り絵。ルーツは中国にあるそうで、日本では江戸時代に余興のひとつとして発展したそうです。これをモロッコで教材として使えないかと、ずっと考えていました。図工の教科書にはどの学年にもタピ(じゅうたん)が載っています。でも、ちょっとだけ見て、「はい終わり」という学年もあります。ということで、それぞれが作った小さなものを大きな紙に貼り、モロッコの伝統工芸のひとつであるタピを作ることにしました。
始めは練習。小さな四角い紙を1回折って、ちょきちょきと切ります。はさみの使い方に慣れていない子が多く、指もしっかり入らないくらいの小さなはさみを使っている子もいます。道具に慣れることも図工で大事にしていきたいと思っていますが、道具も満足に揃わない現状もあります。初めての切り絵に苦戦しながらも、紙を開いたときの子どもの顔が何ともいえません。こちらに見せてくるときの顔とか、友達に見せるときの顔、いい顔してます。うれしくなってどんどん紙を配っていきました。先生も子どもたちに説明しながら挑戦していました。なかなかうまくいきませんが、初めてですから少しずつです。最初は苦戦していても、2枚目、3枚目と挑戦していく子はさすが、吸収が早いです。そして何がよかったって、先生がいいんです。おばちゃんの先生なんですが、雰囲気というか、子どもたちに話しかける声がおだやかで、こちらまでおだやかな気分になりました。
初めての切り絵、いい時間でした。