「次は体育なんだ、後で先生が行くからちょっと見ていてくれ。」
先日行ったある学校で、校長先生にこう言われた。「わかった。」と応え外のコンクリートのコートで4年生、26人のクラスを見ていた。5分経っても誰も出てこない。とりあえず準備体操を行い、ボールを使って簡単なゲームをしようとした。しかし、説明がうまく通じない。前の時間、他のクラスで、担当の先生が一緒にいてくれたときにはできていたことが何一つできない。言葉がうまく伝わらず、もちろん子どもたちの集中力もなくなっていく。さらに「こういう活動をさせたい」という思いが強くなればなるほど焦りも出てくる。このとき、改めて感じた
「一人では何もできない。」
先生は相変わらず出てこない。出てこない先生にも腹が立ち始める。しかし、その場で先生に腹を立てても目の前の子どもたちには何も関係ない。その後、「もういいや」という半分投げやりな気持ちと、もう子どもを何とかしようということを諦めてから、「何したい?」と聞いた。返ってきた答えは「サッカー!」ということでとりあえずサッカーをした。時間つぶしのための遊びのサッカー。子どもたちは元気に走り回っているが、何か違う。
先生が出て来た頃にはすでに50分が経過していた。外に出てきて、こちらを見て「もう時間がないからやめましょう。」と時計を指しながら一言。何だそれ。こっちが「今まで何をしていたんだ。」と聞くと「会議があったんだ。」と一言、信じられない。外部の人間に子どもを全て任せて会議って何だ。今しなければならないことなのか、自分の担当クラスをほっとけるくらい大事な会議って何だ、そんなものなのか、それで平気なのか。
子どもたちがわくわくするためには、こちらの先生の助けが必要だ。子どもが仲間と協力して一生懸命運動している姿や、真剣な目で絵を描いている顔をたくさん見たい。
先生へのアプローチの仕方も大きな課題のひとつ。あきらめない。