チュニジアの独裁政権が崩壊し、ベンアリ大統領がサウジアラビアに逃亡して約1ヶ月が経つ。エジプトやその他中東の国々でも暴動が起きている。チュニジアのベンアリ大統領は23年、エジプトのムバラク大統領は29年も独裁政権を続けており、どちらの国も3~7%の経済成長をしている。しかしエジプトの場合、国民の2割が1日2ドル以下の生活をしており、チュニジアでは年8万人の大学卒業者のうち、2~3万人は就職できない状況という。
そもそも事の発端は、去年の12月、チュニジアの路上にて無免許で野菜を売っていた失業中の大学生を、警官が注意し販売を中止させたことで、その若者が焼身自殺を図ったことから始まった。最初その事実を知ったときは、なぜそれだけで、と思ったが、それだけ追い詰められていた状態だったのだと思う。そのことがきっかけになり、これまでの政府に対する不満が一気に行動になって出てきた。エジプトの暴動の様子をテレビで見たが、これまで溜まったものを吐き出すようなデモ、人の顔、声で、テレビを通してもエネルギーが伝わってきた。これまでに、どんな思いで生活してきたのだろう。一人の若者の死をきっかけに、国民がこんなになるまで政府は何をしていのだろう。
何のための政府だったのだろう。
今日はバーレーンで起こった反政府デモの様子をテレビで見た。デモの前にバーレーンのハマド国王は各世帯に22万円を支給することを決めたという。何という対応だろうか。ロイター通信によるとモロッコの首都ラバトでも、今月の10日に雇用確保を求めて1千人規模のデモが行われた。フランスの公共ラジオでもモロッコの情報が流れているそうだ。ネットを通して自分の意見を広めたり、情報を手に入れたりすることができる今日、それを基に行動できる人々が大勢いる。状況はどう変化するかわからない。日本にいたら遠い国の出来事として見ていたかもしれない。
でもどれも、今住んでいる中東の国に起こっている事実。