2日目の学校は町中から離れた学校。今回一番多くの活動を行うことになっている。ここで活動をするために、普段この学校で活動している相方にも随分と協力してもらった。まるで前日がうそだったかのように、子どもたちは穏やかだったが、その影には先生方の存在の大きさがあった。ボランティアのメンバーが、絵本の読み聞かせやアクティビティを行うときに、先生も一緒になって経験しようとしていた。「今度の図工でこれを作りたい。」と作り方聞いてくる先生や、全体を見ながらも子どもと一緒になって、おりがみで鶴を作る先生、校長先生をはじめそんな先生方のあたたかい雰囲気が何とも心地よい学校だった。
子どもたちはおだやかに、それでももくもくと作品を作ったり、絵本を見てふわふわの雪だるまを触ったり、たくさんのわくわくする仕掛け動かしたりしながら楽しんでいた。クレヨンでお絵描きをする2年生の子どもたちの中に、いろんな色を使って友達の顔を描いている子がいた。そんな素敵な作品たちやそれぞれのがんばりを認めてもらった今日は、この子たちにとってもきっと忘れられない思い出になると思う。
この交流が実現するまで、日本で絵本の読み聞かせのためにアラビア語を練習したり、活動の計画や教材の用意をしたり、忙しい中で本当に多くの時間を準備に費やしてきたのだなと感じる場面がたくさんあった。また、今回は日本食も登場している。「食」に関しては衛生面でも様々なことに気を配ったことと思う。当日を含め、モロッコではかなりハードな日程で動いているにも関わらず、2日間とも疲れを感じさせない活動ぶりで、それぞれが強い思いをもってこの活動に臨んでいることが伝わってきた。そんなボランティアメンバーに、最後には子どもたちから素敵な絵や立体作品のプレゼントがあり、とても気持ちよく終わった2日目だった。
どの活動でも、「実際に子どもたちが経験する」ことを大事にしている今回の交流のねらいから、たくさんの子どもが作り、読み、描き、遊び、感じた2日間だった。2日目の晩、キャプテンが「私たちの活動は嵐のように来て去るけど、現地では地道な活動がずっと続く。いろんな見方があるから、そういう地道な活動のご迷惑になってしまうことがある。」と話をされた。
しかし、僕たちは今回の活動をまたこれからにつなげることができると信じている。いろいろなアイデアも教えてもらった。そして、絵本が40冊ウジダに残る。モロッコの、ウジダにいるからこそできることを少しずつ形にしていきたい。
教えてもらったことが本当に多い、多くの人たちの思いのつまった2日間だった。