先日、活動の帰りにウジダ教育支局のスポーツ課に行ってきました。
僕らが配属されている課とは別ですが、
そこに「体育のことならここへこい。」というおっちゃんがいます。
実はウジダ教育支局で行った中間報告会で、彼が
「学校に教材が不足しているなら、私に言いなさい。教材がなければ買える」
と言っていたことを思い出し、これは言わねば損、と思い
3つの質問を用意して訪問してみました。
1つめの質問「ある学校にはボールが2つしかないので、買ってくれませんか?」
「教材か、おれは買えないぞ。」
「ん?・・・なんでじゃ!前買えるっていったやん!」
と聞き返し、じっくり話を聞くと
どうやら各学校に関わりのあるスポーツのアソシエーションがあるらしく、
校長からそこへ頼んで教材を買ってもらうそうです。なるほど。
「おれが教材を買える、と言ったのはそういうことだ。」
「・・・・・・。」
2つめの質問「今ある体育の教科書はだいぶ古いけど、新しいものは作ってますか?」
「ん~、ないね。」
「じゃあ今の教科書はどこで手に入りますか?現場の先生は誰も持ってないのですが。」
「近くの○○という書店に売っているぞ。」
「本当?1990年代の教科書だけど、本当に売ってます?」
「ある!」
「こないだ行ったけどなかったよ。」
「ある!」
・・・とりあえず「わかった、じゃあ行ってみる。」
と返事をして
質問3つめ「小学校の体育のことをどう考えてますか?」
「そうだな、義務化されているが、問題が3つある。ひとつは校庭がないこと。
2つめに教具がないこと、3つめに研修がないことだ。」
「どんな対策をしているんですか?」
「今は少しずつ校庭を作っている。教具はその後になるな。」
確かに去年はウジダの5つの小学校に校庭ができたと聞いた。
「でも体育をしたいと思う先生は少ないのでは?教科書も手元にないし。」
「そうだ、だから研修が必要なんだ。」
「お~っ。そうか、いつやるんですか?」
「・・・・12月だ。」
(・・・あ、今思いついたような)
「・・・それより今度クロスカントリーの大会をやるんだ。」
と11月にあるクロスカントリー(という名の2~5Km走の大会)のことを
しばらく話し、最終的には
「活動先の学校でいい選手を選んでトレーニングしてくれ」
という話になり、少々肩を落として支局を後にしました。
「これが問題なんだ。」
で終わらせることは誰にでもできる。
でも、それで終わらせないために
のこり半年、
やれることはとことんやってみる。
いろんなとこに顔出して、それがどこかでつながるかもしれないので
絶対にあきらめずに、クサラズニ、最後までやりきる。
そしてこの10分後、ある本屋に行くと
そこに、
体育の教科書は
なかった。
・・・・負けるかっ。
「言葉」の語源は「言の端」から来ているそうです。事実である「事=言」だけの重い意味だけでなく、その端にあるものも付け加え、軽い意味を持たせようと考えられたものだとか。その後、平安時代頃から和歌などに「ことば」「ことの葉」「言の葉」という表現が出てきて、葉のようにたくさんの、豊かな様子を表現するものとして「言葉」が定着してきたそうです。なんだかわかったようなわからないような・・・ただ事実だけを伝えるためではなく、人の気持ちや思いを相手に伝えるために、「葉」の部分が必要なんですね。モロッコに来てから、そんな「葉」の部分を増やしたいと日々思っていますが・・・。
さて先週、首都で1週間の語学研修が行われました。現地語のデリジャに1週間浸かり、ノートはメモでいっぱいになりました。なかなか頭の中に納まらないので、しばらくは辞書代わりに使いたいと思います。アラビア語のアルファベットを教えてもらったり、簡単な文法や語彙も勉強しました。あのヘビのような文字の音や書き方も、ぼちぼちですが楽しんでいます。JICA事務所に泊まり込み、みんなでご飯を作ったり、夜に勉強したりと、まるで合宿のようでしたが、いいメンバーに恵まれ本当に充実していました。デリジャを学ぶにあたり、同期や先輩には本当にお世話になりました。おかげさまで朝から晩まで本当に充実しており、語学に対するモチベーションも上がってきました。晩ご飯の時間はいつも満腹、満足、茶碗蒸しにハンバーグ、じゃがもちチーズにかき揚げ丼などなど、何度でも食べたくなるご馳走でした。感謝感謝です。
5日間という短い期間でしたが、やはり継続が力になる、ことを実感しました。これからウジダで実践です。見てわかること、やってみてわかること、そして話してみてわかること。自分が活動する上で、先生方と同じ方向に向かうために、今回学んだ言葉たちと共に活動に励みたいと思います。
翌日には相方が企画してくれたKOICAとのサッカー交流でいい汗を流しました。お隣の国、韓国の若者とモロッコで一緒にサッカーをして、キムチがほしいだのプルコギが食べたいだの、個人的に話したことの8割は食に関することでしたが・・・本当にいい時間でした。